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法人での借入限度額 前編

2019/07/11
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法人での借入限度額 前編

 
 会社経営者様、自社が借入できる限度額がいくらまでなのかということを把握したいと
 思われている方も多いのではないでしょうか。

 新たな事業を始めるにも、今後の資金繰り計画を立てるのにも、追加借入でどのくらい
 調達できる余力があるのかどうかは非常に重要だと思います。

 金融機関に相談する前に、自社の借入が現在多いのか少ないのかをきちんと理解していれば、
 金融機関との交渉もしやすくなります。

 時には、低金利などの有利な条件を引き出す材料にもなりえます。

 今日は、民間銀行(都市銀行、地方銀行)や、日本政策金融公庫などの政府系の金融機関を
 おもなターゲットとして、法人の借入限度額の予測方法についてお話していきたいと
 思います。

 そもそも法人融資は、その都度、金融機関と相談して決められるものがほとんで、カードローン
 のような明確な限度額が存在してるのか疑問に思われる方もいると思います。

 では、どう決定されていくのでしょうか。

 カードローンほど明確な数字では出ませんが、ある程度の限度額は存在しています。

 そして、限度額の設定は複数の指標を織り交ぜながら決定されます。

 計算だけで、一律決まるわけではありませんが、各指標が基準として使われており、影響して
 いることは事実です。

 それでは、順番に指標を確認していきます。

 
◎借入金対月商比

 これは一ヶ月あたり売上高の、何倍の借入があるかという指標になります。

 例えば、借入金が400万円、一ヶ月の売上が120万円でのケースは、

 ・400万÷120万=借入金対月商比

 となります。

 計算式は、借入金 ÷ (売上高÷12ヶ月) = 借入金対月商比で表されます。

 おおむね、4倍未満であれば安全であり、6ヶ月を超えるとやや借入が多いと判断されます。

 上記の例ですと、3.33333…倍なので安全なのですが、720万円の借入を超えると
 融資が難しくなります。

 この指標は、借入の多寡を、簡易的に見る指標として捉えていただくのが良いと思います。

 借入の返済財源は、企業のキャッシュフロー(当期純利益+減価償却費)になりますが、
 この指標では売上高しか見ていません。

 売上高が大きくても、赤字の企業もあれば、逆に利益率の高い企業もあります。

 売上高だけが、もっとも重要とされていた昔の時代の指標と言えるでしょう。

 
◎債務償還年数

 より現実的で重要な指標に債務償還年数という考え方もあります。

 これは(借入 ー 正常運転資金) ÷ キャッシュフロー で計算します。

 正常運転資金とは、売上債権 + 棚卸資産 - 仕入債務 で計算します。

 キャッシュフローは、各金融機関で定義が異なりますが、当期純利益 + 減価償却費 で
 計算されることが一般的です。

 つまり、債務償還年数とは、借入が、キャッシュフローの何年分あるかということを意味して
 います。

 そして、運転資金のための借入は、借入の限度額の判定からは除外して計算します。
 
 この指標では5年以内であることが理想となります。

 逆に10年を超えてしまうと危険な水準として判断されてしまいます。

 そのため、10年を超える前提の借入は大変厳しいです。

 例えば、当期純利益が300万円、減価償却費が200万円で、売上債権の残高が1500万円、
 棚卸資産残高が500万円、支払債務が1000万円

 この場合、

 (300万円+200万円) × 10年 + (1500万円+500万円-1000万円))
 =6000万円 が借入限度額ということになります。

 
◎無借金営業について

 逆に、無借金営業についても考えてみました。

 ここまで、いくらまで借入が可能なのかということをお話してきましたが、そもそも借入は無い方が
 良いのか。

 中小企業全体の3割近くが無借金であると言われております。

 ただ実は、無借金会社は借入を利用する会社と比べ、平均的に経常利益率は0.4パーセント低く
 なっています。

 経常利益は、利息を支払っている利益にも関わらず、無借金会社の法が利益率は低いということです。

 借入が多いと、会社の不安要素のひとつになりますが、一方で、無借金で決まった資金の範囲内で
 のみ事業を行われるよりも、借入を利用するほうが、統計的に見ると利益を出しているのです。

 借入、ファクタリングの使い方が重要であり、うまく活用することが大切です。