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売掛債権流動化とファクタリングの違い

2019/10/02
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売掛債権流動化とファクタリングの違い

 

 

◎ファクタリングと売掛債権流動化

 

売掛債権を現金として手にするには、決済期日が到来するまでに数か月待たなければならない場合が一般的です。企業にとっては、売掛債権の早期現金化を図る事で、資金繰りは安定します。

 

近年では、その具体策として資産・売掛債権の流動化が注目されています。今回は、ファクタリングと売掛債権流動化について解説していきたいと思います。

 

 

*売掛債権流動化とは

 

売掛債権流動化とは、決済期日が到来する前に企業が保有する売掛債権を第三者(銀行など)に譲渡する、もしくはそれを担保に融資を受ける資金調達方法を言います。

 

通常「資産を流動化する」といった場合は、資産(企業が保有している支払い期日前の売掛債権)を売却または証券化して現金化する事を意味します。

 

 

*売掛債権流動化のメリット

 

売掛債権流動化には、以下のようなメリットがあります。

 

 

・資金繰りが改善する

 

・オフバランス化(資産の圧縮)が図れる

 

・信用力の向上に繋がる

 

・リスクマネジメントに役立つ

 

・キャッシュフロー経営の推進がおこなえる

 

資産の流動化をおこなえば、現金化を図る事ができる為資金繰りが改善します。また、貸借対照表から資産を外す事でオフバランス化を図る事ができる点がメリットです。

 

 

★オフバランス化とは

 

企業が保有する資産、および負債を会計から外す(オフする)こと。

 

外部からの評価を高める事になるため、信用格付けの向上など企業価値を高める事に繋がる。また、借入の利息負担を軽減する事で、資産利益率(ROA)などの財務諸表を改善する事ができる。

 

売掛債権流動化は、資産を生み出すキャッシュフローを原資として資金調達をおこなう事ができる点が特徴です。

 

 

 

*売掛債権流動化とファクタリングの違いとは

 

売掛債権流動化とは、文字通り売掛債権を流動的に活用する行為を指します。ファクタリングも売掛債権を売却する事で現金化を図るサービスであるため、広い意味では売掛債権流動化であると考えられます。

 

つまり、売掛債権流動化といった場合、特定のサービスを指す訳では無く、物事を包括的に捉える際に使用する言葉であると言えます。分かりやすく言えば、ファクタリングは、売掛債権流動化というカテゴリーの中に含まれる下位概念の一つに位置づけられます。

 

例えば、「球技」といった場合には、特定の球技を指す訳ではありません。

 

「球技」の中には、野球やサッカー、バスケットボール、バレーボールなどがあるのと同様の関係性を持ちます。その為、売掛債権を担保に融資を受ける「売掛債権担保融資」や売掛債権を証券化する事で資金調達をおこなう「売掛債権証券化」なども売掛債権流動化の一つであると言えます。

 

売掛債権流動化には、大きく3つの方法があります。

 

 

*売掛債権担保融資

 

売掛債権担保融資とは、企業が保有する売掛債権を担保に融資を受ける資金調達方法を指します。

 

銀行融資と同様の借入である為、債権者に対して返済義務と利息の支払いが発生します。ファクタリングは売掛債権を売却譲渡する行為ですが、売掛債権担保融資は債務不履行時に備えて一時的に売掛債権を移転譲渡する事となります。

 

また、バランスシート(貸借対照表)上では、「負債」として計上されます。

 

企業の流動資産・動産を担保として活用し、金銭を借り入れる仕組みの事をABL(Asset Based Lending:アセット・ベースト・レンディング)と言います。ABLは、売掛先へ通知をおこなう必要がない為、取引先に融資の事実を知られる事はません。

 

 

*売掛債権証券化

 

売掛債権証券化とは、企業が保有している売掛債権をSPVと呼ばれる特定目的法人に譲渡し、その対価として資金を調達する方法の事を言います。

 

 

★SPVとは

 

SPV(SpecialPurpose Vehicle)とは、証券化やプロジェクト・ファイナンスを目的とする事業のこと。特別目的事業体やSPE(Special Purpose Entity)とも呼ばれる。

SPVのうち法人格を有するものはSPC(Special Purpose Company、特別目的会社)と呼ばれ、国際投信を営むなど、その事業は多岐にわたる。

 

 

SPVは、売掛債権が生み出すキャッシュフローを裏付けとした資産担保証券などの流動性が高い金融商品として投資家等に発行します。つまり、売掛債権の証券化にあたって、企業と投資家の媒介役を果たす役割を担っている団体であると言えます。

 

売掛債権流動化の3つの手段を簡潔にまとめると下記の通りです。

 

 

ファクタリング     売掛債権を売却し、その売却益で資金調達をおこなう資金調達方法。

 

売掛債権担保融資 売掛債権を担保に融資を受ける資金調達方法。

 

売掛債権証券化  売掛債権を特別目的事業体(SPV)等へ移転させることでおこなう資金調達方法。

             売掛債権は証券化した商品として投資家に発行される。

 

 

 

◎まとめ

 

売掛債権流動化とファクタリングは、違いを見出して比較するものではなく、包括・被包括の関係にあります。

 

その為、「売掛債権流動化を検討する」といった場合は、ファクタリングだけではなく売掛債権担保融資(ABL)や売掛債権証券化などの方法も視野に入れることを意味します。

 

いずれも売掛債権の支払期日前に現金化を図る事ができるため、資金繰りに困っている企業にとっては有用な資金調達手段です。売掛債権流動化は、企業の資金ニーズに応じて適切な方法を選択する事が重要となります。