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弁護士法におけるファクタリングの正当性

2019/12/13
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弁護士法におけるファクタリングの正当性

 

 

ファクタリングは保有している売掛債権を業者に買い取ってもらうことで、早期に資金繰りを改善できる資金調達方法です。

 

しかし、ファクタリングは債権の譲渡などの法律行為を含むため、弁護士法に違反していないか気になっている企業経営者や個人事業主の人もいるでしょう。

 

ファクタリングの基本的な仕組みを理解して、ポイントを押さえておく事が大切です。中には悪徳な業者もいるので、注意点についても予め知っておきましょう。弁護士法におけるファクタリングの正当性について、詳しく解説します。

 

 

*弁護士法とは??弁護士以外の人も覚えておきたい法律

 

弁護士法とは、弁護士制度に関する法律のことです。弁護士の使命や職務の範囲、権利や義務関係、弁護士資格について細かく定められています。

 

弁護士以外の人が法律事務を行ったり、斡旋したりすることを禁じており、違反すると刑事事件として起訴される場合もあるのです。弁護士法で定められている犯罪としては、虚偽登録、汚職、非弁護士との提携の罪などが挙げられます。

 

弁護士が守らなければならない法律であると同時に、一般の会社や個人にも関係する法律です。例えば、弁護士ではない人が利益を得る目的で、示談交渉などを行った場合は弁護士法に抵触することになります。

 

弁護士から名義だけを借り、実際は弁護士資格のない人が業務を行うことも非弁護士として処罰の対象となるのです。きちんとした登録がない債権回収業者が強引な取り立てを行うこともあるため、弁護士法によって一定の制約を設けていると言えます。

 

 

*売掛債権を譲渡する!ファクタリングとは?

 

ファクタリングは、保有する売掛金などの売掛債権を現金化する資金調達方法です。ファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらうことで、資金繰りを改善することに繋がります。

 

ファクタリングを利用する側にとってのメリットは、手数料を支払うだけで早期に資金調達を行うことができ、さらに回収リスクを軽減することができる点が挙げられるでしょう

 

償還請求権のないファクタリング契約であれば、売掛債権を譲渡した後に売掛先が倒産したとしても、利用者が返済の義務を負うことはありません。つまり、単に資金を調達するだけでなく、未払いのリスクもなくせるのです。

 

資金調達方法はファクタリング以外にも様々なものがありますが、例えば、銀行融資の場合では申し込みから融資の実行まで時間が掛かってしまうデメリットがあります。

 

赤字決算や債務超過に陥っている場合には、融資そのものが難しい場合もあるでしょう。仮に、融資を受けられたとしても借入金という形で負債が残り、利息を上乗せして返済していく必要があります。

 

ファクタリングであれば、売掛債権そのものの価値が重視されるため、たとえ赤字や債務超過に陥っていたとしても、契約を結ぶことは可能です。また、売掛債権という資産の売却を行うだけであるため、負債が増えることもありません。

 

売掛債権が圧縮されることによって貸借対照表をスリム化できるため、他の資金調達を行う際にもプラスに働きます。ファクタリングは大きく分けて2種類の手法があり、2社間ファクタリングでは取引先に債権譲渡の事実を知らせずに、売掛債権を現金化できます。

 

ファクタリング会社としては売掛債権の信用力を審査するために手間が掛かってしまうため、手数料は割高に設定されているのです。2社間ファクタリングでは、手数料や費用を差し引いた売却代金が利用者の口座に振り込まれます。

 

そして、取引先から入金があった段階でファクタリング会社に売掛金を入金する流れです。その一方で、3社間ファクタリングでは取引先も交えて契約を締結します。

 

ファクタリング会社としては、債権回収のリスクを軽減できるため、手数料は2社間ファクタリングよりも割安です。ファクタリング会社が売掛金の回収を取引先に対して直接行うため、事務処理の手間が省けるといったメリットがあります。

 

 

*ファクタリングが弁護士法違反だと思われがちな理由とは

 

ファクタリングは適切な手順で行われれば、法律に抵触するものではありません。

 

しかし、債権回収業務にあたるのではないかという考えから、ファクタリングが弁護士法に違反するのではないかと疑問視する人もいます。弁護士法第72条では、報酬目的で訴訟事件や非訟事件などの法律事務を行ったり、周旋したりしてはいけないと定められているからです。

 

債権回収に関する法律事務を行うと弁護士法違反になると、法律では決められています。また、弁護士法第73条では訴訟や交渉によって債権譲渡を行使する業務を行ってはいけない事になっています。一般的な債務譲渡は可能である反面、利益目的の債権買取や訴訟、交渉を業務として行ってはいけないとされているのです。

 

弁護士法のそれぞれの条文を照らし合わせると、ファクタリングは弁護士法に違反している可能性もあるものの、ファクタリング会社は該当しないと解釈されています。

 

 

ファクタリングは違法ではない!!特別措置法をチェック

 

弁護士法での規定だけを見れば、ファクタリングは法律違反ということになるでしょう。しかし、「債権回収業務に関する特別措置法」というものがあるため、ファクタリングは違法行為ではありません。

 

この法律によれば、法務大臣の認定を受けた会社は、他人から譲渡された債権を訴訟や交渉を通じて業務として回収できる事になっています。具体的には、ファクタリング会社は売掛債権に限り、債権の回収不能リスクを負うことを条件として債権の管理、回収などの業務を行えるのです。

 

債権回収業務について特別な法律が定められているのは、この法律が経済発展を促進させる事を理念としているからだと言えます。ファクタリング会社は、売掛債権の買い取りによって経済発展を促進していると考えられているため、結果として弁護士法に違反していないのです。従って、必要に応じて資金調達の手段として活用しても、何の問題もありません。

 

 

*弁護士法に違反している悪徳業者の見極め方

 

ファクタリングそのものは適正に手続きが進められるなら問題はないものの、中には弁護士法に違反した業務を行っている悪徳業者もあります。

 

適正な業者と悪徳業者の見分け方、見極め方は、法務省の認定を受けている会社かどうかで判断可能です。法務省がHPで公開している「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」を参考にして、利用する業者を選んでみると良いでしょう。

 

ファクタリングを行う時には目先の資金調達ばかりに意識が向いてしまいがちですが、必要な情報を集めた上で利用しなければ、後々トラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるので注意が必要です。

 

法律違反を犯している悪徳業者の特徴としては、まず契約書や見積書などの基本的な書類を作成しない点が挙げられます。利用者側が書類の発行を求めているにも関わらず、曖昧な回答を続ける業者は選ばない方がいいでしょう。

 

書面によって契約の事実を残しておかなければ、後から不当な代金を請求される可能性があります。悪徳業者としては、何かと理由をつけて手数料や費用を徴収したいという思惑があるのです。

 

書面などが発行されない場合であっても、数字にまつわる部分は口頭ではなく、メールなどでやりとりして証拠を残しておきましょう。また、売掛債権を譲渡した後の入金を直接手渡しで現金の受け渡しを行う意図は、銀行口座に入金した事実を残したくないと考えている可能性があります。

 

つまり、見積書などの重要な書類を後から書き換えられてしまう恐れがあるでしょう。逆に言えば、申し込み時にきちんと見積書を発行してくれる業者であれば、代金は銀行口座に振り込んでくれるはずです。

 

そして、契約書や見積書を発行してくれる業者であれば、代金は銀行口座に振り込んでくれるはずです。そして、契約書や見積書を発行してくれる業者であっても注意が必要だと言えます。

 

手数料が法外に高く、現金化できる金額が極端に少ない場合には、悪徳業者であると考えた方がいいでしょう。書面の発行を行わないなど、あからさまな違法行為を行わない代わりに、最初から手数料を不当に上乗せしておく手口なのです。

 

悪徳業者であるかどうかの判断は、利用する側がしっかりと見極める必要があります。いきなり契約まで進めてしまうのではなく、申し込み時の電話やメールなどによって、どういった対応をしてくるのか見定めてみましょう。

 

不明点や疑問点があっても、誠実に回答してくれない業者は避けた方が無難です。債権譲渡登記や償還請求権の有無などは、後々のトラブルを引き起こす原因となってしまいます。

 

初めから1社に絞るのでなく、複数の業者に見積書を依頼するなどして、慎重に見極めていくことが大切です。ファクタリングでは、利用者と業者との間で債権譲渡契約を結ぶことになります。ファクタリング会社の中には、代表者個人の連帯保証公正証書の作成を求めてくるところもあるでしょう。

 

基本的にはこれらの行為を求めてくる業者は避けた方が無難です。個人保証を行ってしまえば、代表者自身の財産を差し出さなければならない事態も生まれてきます。

 

トラブルを未然に防ぐためには、ファクタリング会社と結ぶ契約書の内容を正しく理解しておくことが大切です。業者は利用者に対して契約内容を説明する義務があるので、分からない点は何度も説明を求めましょう。

 

法律的な内容はわかりにくい部分もあるため、弁護士や経理担当者に同席してもらうのも1つの方法です。契約書の内容をよく確認しないまま、安易にサインをすることは避けましょう。

 

また、契約を結んだ時には必ず控えをもらうことも重要です。中には、決済が済んでも契約書の控えを渡さない悪質な業者もあります。控えを渡さないということは、業者が意図的に内容を書き換える可能性もあるのです。従って、契約書の控えを渡してくれない業者の利用も避けるようにしましょう。

 

 

*悪徳業者に依頼したら自分も罪に問われる!

 

ファクタリングを利用する側からすれば、「たとえ法律違反でも、それは業者の責任だよ」と考えてしまう事もあるでしょう。

 

しかし、弁護士法に違反している業者に依頼した利用者も罪に問われる可能性があります。弁護士法第77条3号の規定によれば、弁護士法に違反している業者に依頼した場合、利用者は2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されることになっているのです。

 

安易な気持ちから悪徳業者を利用してしまうと、資金繰りが改善しないだけでなく、場合によっては経営そのものを危機的な状況に追い込んでしまう可能性もあります。社会的な信用に傷がついてしまう事で、経営や事業に対する悪影響は避けられないでしょう。

 

悪徳業者にファクタリングを依頼するリスクはとても高いものがあるため、慎重に見極めるのが大切です。弁護士法に違反した悪徳業者を避けるのはもちろん、誠実に対応してもらえるかといった点もポイントになります。

 

法務省が公表している業者を利用したり、自社で判断がつかない場合は外部の専門家に相談したりしてみましょう。トラブルを未然に防ぐことも、ファクタリング契約においては大切なのです。悪徳業者を利用すると自社だけではなく、取引先にも迷惑を掛けてしまう恐れがあるので、慎重に見極めてみましょう。

 

 

*資金繰りが苦しくても悪徳業者には近づかない

 

ファクタリングの利用を考えるときは、「売掛債権が多くて手元の資金が少ない」「仕入先に支払う代金が用意できるか不安だ」といったケースが多いでしょう。

 

ファクタリングは適切に行うならば、違法行為ではありません。むしろ、早期に資金繰りを改善するための有効な資金調達方法なのです。財務的な部分での不安を払拭して、経営に集中できるキッカケを作れます。

 

目先の資金繰りは問題なかったとしても、いざという時のためにファクタリングについて理解を深めておくことは大切です。その一方で、弁護士法に違反している業者に依頼してしまうと違法行為となってしまうため、場合によっては利用者側も罪に問われる点を忘れないようにしましょう。

 

売掛債権を満足に現金化できないばかりではなく、罪に問われてしまえば社会的な信用も失ってしまいます。取引先との関係にも悪影響が出てしまうのは避けられないものです

 

いくら資金繰りに悩んでいたとしても、悪徳業者の甘い言葉には乗らないことが重要だといえます。ファクタリング業務を行っている業者は数多くあるので、不審に感じた場合は契約を結ぶ前に、他の業者を利用することで、思いがけないリスクの発生を抑えられます。ファクタリングに関する知識を深めた上で、賢く活用していきましょう。