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グローバルファクタリングとは?

2019/12/20
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グローバルファクタリングとは?

 

 

外国企業への輸出などの貿易取引を行っている会社は、国境を超えた決済や通関、為替レートの変動など国内取引にはない様々なリスクと向き合う必要があります。

 

中でも、無事に輸出代金を回収できるかどうかについては不安を感じている経営者も多いです。信用状の仕組みを理解すればある程度リスクを回避できます。

 

しかし、安心して輸出業務を行うためには、グローバルファクタリングについても理解しておいた方が良いでしょう。そこで、今回はグローバルファクタリングについて解説していきたいと思います。

 

 

*貿易取引の仕組みをおさらい!信用状L/C

 

グローバルファクタリングを把握するためには、貿易の仕組み、特に、代金決済に関する信用状の仕組みを理解することが欠かせません。信用状は、L/C(Letter of Credit)と呼ばれるもので、輸入業者の取引銀行が輸入代金の支払いを保証するために発行する書類です。

 

この書類には、輸入企業から依頼を受けた銀行が、輸出者が船荷証券などの一定の書類を提出することを条件に輸出代金を支払うことを確約すると書かれています。

 

輸出業者と輸入業者との間で売買契約が交わされると、輸入企業は取引銀行に対して信用状の発行を依頼します。信用状が発行されると、輸入国の銀行(L/C開設銀行)や輸出国の銀行(通知銀行)を経由して、輸出企業に信用状発行が通知される仕組みです。

 

通知を受けた輸出企業は、信用状の条件通りに輸出品の船積みを行います。このときに発行される書類が、船荷証券(B/L、 Bill of Loading)です。

 

船会社が船積みした貨物の明細や届ける目的地などが記載されています。輸出会社は、船荷証券を銀行に提出することで輸出代金の支払いを受けられます

 

輸入業者と輸出業者も安心して取引ができるようになることが信用状を使った仕組みのメリットです。

 

 

*一般的な貿易取引におけるリスクとは??

 

貿易取引を行う場合には、リスクを認識することが必要です。

 

一般的な貿易取引のリスクは3つあります。

 

輸入する会社が海外に存在しているため信用情報や倒産リスクを把握しにくいことです。外国企業に関する情報は、頻繁に現地に行って収集するというわけにはいきません。

 

国内企業と比べるとどうしても情報が集まりにくくなってしまいます。万が一支払いがなかった場合にも、すぐに対応することは難しい

でしょう。貿易取引においては、ある程度代金回収リスクが大きくなることは避けられません。

 

信用状の仕組みを利用するにあたって求められる審査が厳しいことです。信用状の仕組みを利用すれば、輸出者の代金回収リスクを減らし、輸入者が商品を受け取れないリスクも回避できます。

 

しかし、信用状制度を利用するためには、発行銀行の厳しい審査をクリアすることが必要です。信用状を発行する会社は、万が一代金の支払いが行われなかった場合に代金を肩代わりすることになってしまいます。そのため、審査が厳しくなるのです。

 

❸信用状を使って取引を行う場合、船荷証券などについて僅かな記載ミスも許されないことです。信用状を利用した支払い保証に関する取引はすべて書類で行われます。

 

そのため、関連書類に記載ミスなどの不備があると保証が受けられなくなってしまうのです。輸出業務の関連書類を作成する場合は、ミスなく慎重に行うことが求められます。

 

 

*グローバルファクタリングとは??基礎知識を説明します

 

取引銀行に依頼して信用状を発行してもらう以外にも、輸出代金が未回収になるリスクを回避する方法があります。

 

それが、グローバルファクタリングです。グローバルファクタリングでは、文字通り国境を越えてファクタリングが行われます。グローバルファクタリングの対象となるものは、通常のファクタリングと同じ売掛金です。

 

貿易取引における船積み後に代金回収待ちとなる債権がファクタリングの対象となります。グローバルファクタリングを活用する場合まず、輸出業者と輸入業者の間でファクタリングを利用することに合意する必要があります。

 

合意が成立したら、輸出業者は国内ファクタリング業者に対してグローバルファクタリングの依頼が必要です。依頼を受けた国内ファクタリング業者は、海外ファクタリング業者に対して輸入業者の信用保証引受依頼を行います。

 

海外ファクタリング業者が引受受領すれば準備完了です。輸出業者は、船積みを行うと共に船荷証券を国内ファクタリング業者に渡します

 

一方、輸入業者は海外ファクタリング会社に対する支払が必要です。支払われた資金は、銀行を経由して輸出業者に支払われます。信用の引受を銀行が行うのではなく、ファクタリング業者が行うことがグローバルファクタリングの特徴です。

 

 

メリット❶:信用状L/Cが必要ない

 

グローバルファクタリングを利用するにあたっては、メリットを理解しておくことも重要です。

 

主なメリットは、4つあります。

 

1つ目は、信用状を開設することなく貿易取引ができることです。信用状の仕組みを利用すれば、貨物の引き渡しと代金の決済をスムーズに行えるようになります。

 

しかし、信用状を発行してもらうには、金融機関の厳しい審査に合格することが必要です。そのため、輸入業者の信用が高くない場合は信用状の開設ができない可能性があります。

 

グローバルファクタリングを利用する場合も、一定の信用調査は行われます。しかし、その信用調査は金融機関の信用状発行における審査よりも厳しくないのが一般的です。

 

信用状制度を利用できない場合でも、グローバルファクタリングを利用して代金回収リスクを低減できることは大きなメリットと言えるでしょう。

 

また、グローバルファクタリングを利用すれば、信用状制度を利用する必要がないため、審査だけでなく信用状発行に伴う様々な事務手続きも省くことができます。

 

事務作業の軽減に繋がる事も、グローバルファクタリングを活用するメリットだと思います。

 

 

メリット❷:書類取引ではない

 

グローバルファクタリングに関するメリット2つ目は、書類取引ではないため、信用状を利用した取引よりも書類の正確性が問われないことです。

 

もちろん、グローバルファクタリングにおいても書類は正確に作成する必要があります。しかし、信用状を利用する場合ほどの正確性は求められないのです。

 

信用状の仕組みにおいては、船荷証券と信用状の記載事項に1文字でも違いがあれば保証は得られません。書類に不備があれば取引は不成立になってしまうでしょう。

 

また、書類の作成やチェックに時間が掛かるため書類よりも先に商品が到着してしまい、書類が届くまで商品を引き取れないという事態が生じることもあります。

 

一方、グローバルファクタリングを利用した場合は、書類の記載内容について信用状ほど厳しくは問われません。書類取引ではないため、一致すべき文言についてわずかな違いがあるだけで実質的に内容が一致していると判断できれば、取引は中断されないのです。

 

信用状の制度を利用する場合は、融通が利かずに取引が中断してしまうことがあります。グローバルファクタリングを利用すれば、書類不備などによる取引遅れの事態を回避することに繋がるでしょう。

 

 

メリット❸:輸入業者の信用調査ができる

 

3つ目のメリットは、輸入業者の信用調査ができることです。

 

輸出業者は、輸出した貨物の代金を支払うことになる輸入業者の信用状態に関して常に最新の情報を入手しておく必要があります。少しでも財務状況が悪化するなどの兆候があれば、輸出を停止するなどの対策を講じて、自社の財務的な安全を確保することが重要です。

 

しかし、所在地が海外である輸入業者の信用情報入手には困難が伴います。グローバルファクタリングを利用することによって、輸出業者の信用情報の入手が楽になることは輸出業者にとって大きなメリットです。

 

ファクタリング業者は、ファクタリング契約に際して輸入業者の信用調査を行い、確実に資金決済が行われるかどうかを判断します。そのため、貿易取引を行う都度、輸入業者の信用度を確認することが可能です。

 

最新の情報が得られれば、適切な与信管理を行うこともできるようになります。また、新規取引先であってもファクタリング会社の信用調査情報を得られることもメリットです。

 

輸入事業を行っている経営者は、取引先の信用情報入手の観点からも、グローバルファクタリングの利用を検討してみると良いでしょう。

 

 

メリット❹:代金回収リスクがない

 

4つ目のメリットは、輸出代金の回収に失敗するリスクを回避できることです。

 

船積みされた貨物の代金を回収できない状態になると、輸出業者は大きなダメージを受けることになります。資金繰りが悪化することはもちろん、業績悪化により事業の継続が困難になる可能性もあるでしょう。

 

グローバルファクタリングを利用することで、代金未回収のリスクをほぼゼロにまで抑え込めることは大きなメリットです。グローバルファクタリングは、輸入会社側の国のファクタリング業者による信用調査に合格しなければ成立しません。

 

そのため、審査にパスできないような財務状況の会社との貿易取引を未然に防ぐことにつながります。また、信用調査に通りグローバルファクタリング契約が成立すれば、輸出に関する売掛債権の回収はほぼ100%保証されるとみることが可能です。

 

安心して貿易取引できる環境を整えるためにも、グローバルファクタリングの活用は役に立ちます。

 

 

*手数料が高額になりやすいのはデメリット

 

グローバルファクタリングには複数のメリットがある反面、デメリットもあります。

 

利用する経営者は、メリットだけでなくデメリットについても正確に把握しておくことが求められるでしょう。主なデメリットは、手数料が高くなることです。

 

信用状を使った仕組みを利用する場合、一般的には、年利0.5~1.0%の保証料が掛かります。また、電信料1万円程度のコスト負担も必要です。さらに、為替手数料の負担も生じます。

 

一方、グローバルファクタリングを利用した場合は、さらに高額の費用を負担することが必要です。グローバルファクタリングにおける一般的な手数料として、送り状であるインボイス価格に対して月利0.7~2.0%程度のコストが掛かります。

 

また、信用調査料として1万円程度に加えて為替手数料負担も必要です。結果的には、信用状の仕組みを利用する場合よりも、コストの総額が高くなることは認識しておきましょう。

 

信用状とグローバルファクタリング、どちらも利用できる場合はメリットとデメリットを比較した上で、グローバルファクタリングのメリットが大きくなると判断した場合に利用することが大切です。

 

 

*グローバルファクタリングが扱える業者が少ない

 

貿易取引についてファクタリングを利用したい場合、グローバルファクタリングに対応しているファクタリング業者を見つけなければいけません。

 

しかし、グローバルファクタリングを取り扱っている業者は多くないのが現実です。取り扱っている業者が少ないことは、グローバルファクタリングのデメリットの1つと言えるでしょう。

 

日本でグローバルファクタリングを取り扱っているのは、メガバンク系のファクタリング業者に限られます。そのため、少ない選択肢から業者選択することを強いられることになるでしょう。

 

取り扱っている業者が少ない理由の1つとして、一定の業者で構成されているネットワークを利用する必要があることが挙げられます。

 

グローバルファクタリングサービスは、FCI(Factors Chain International)と呼ばれる世界各国の銀行と銀行子会社のファクタリング業者で構成されているネットワークを利用しなければ使えないことになっているのです。

 

そのため、このネットワークにアクセスできる業者以外はグローバルファクタリングサービスを提供できません。参入業者が限られてことが、グローバルファクタリングのデメリットです。

 

 

*安心して貿易取引するならグローバルファクタリング

 

安全に貿易取引を行うためには、代金回収リスクを抑えることが欠かせません。

 

確実に輸出代金を回収するためには、L/Cと呼ばれる信用状の仕組みを利用する方法が有効です。しかし、信用状を利用する場合1文字の間違いもないように慎重に書類を作成しなければならないなどのデメリットがあります。

 

そういったデメリットを回避するためには、グローバルファクタリングを利用するのも選択肢の1つです。グローバルファクタリングを利用する方法でも、輸出代金を確実に回収することができます。

 

また、グローバルファクタリングを利用すれば輸入会社の信用調査情報を入手できるため、与信管理を確実に行うことにも繋がります。輸出業務を行う場合は、グローバルファクタリングの利用も積極的に検討してみましょう。