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取引信用保険とファクタリングの違いについてー前編―

2020/02/04
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取引信用保険とファクタリングの違いについてー前編―

取引信用保険とファクタリングは、どちらも売掛債権を対象にしているので同じものだと混同されがちです。

本日は取引信用保険とファクタリングの違いについて前編と後編に分けてお伝えしていきます。前編では、取引信用保険についての概要やメリット、デメリットについて解説します。

 

そもそも取引信用保険とは何?

取引信用保険とは何か聞いた事はありますか?取引信用保険とは、取引先の企業に法的倒産や不払いなどによる売掛金の貸倒リスクをカバーするための保険になります。

あらかじめ取扱いのある保険会社に掛け金を=保険料を払うことで、債権が未回収になった場合に保険金は支払われるのです。

売掛債権が不良債権化した場合でも、取引信用保険によって会社の経営に与えるダメージを少しでもカバーする事が可能なのです。

保険料については、保険会社が設定する取引先の支払い限度額によって決定されます。一般的には年間で3%程度が相場であり、取引先数や信用情報などによっても違いが出てきます。

また保証される債権額は「縮小率」によって決められるのですが、この縮小率とは支払われる保険金額を算出する為のパーセンテージです。多くの保険会社では、90~95%程度に設定されている様です。

 

取引信用保険のメリットとは?

取引信用保険のメリットとはどんなところでしょうか?大きく3つのメリットがありますので、下記で見ていきましょう。

 

  1. キャッシュフローの安定化

    未回収の売掛金を保険金で補う事が出来るので、キャッシュフローに流れを止めることなく、資金ショートのリスクを抑える事が可能です。当然ですが、会社の資金繰りにとっては好影響を及ぼすことになります。

 

  1. 取引金融機関からの信用がアップする

    売掛債権が回収できないと、取引銀行や取引先が真っ先に不安視するのは、本来であれば入るはずの売掛金の入金がされないことによる資金ショートです。しかし、取引信用保険を利用し、債権を保全しておくことで、取引金融機関からの信用度合いはアップします。

    また貸倒引当金を縮小する事も出来るので、決算数値も良くなります。これも金融機関からの信用を向上させる大きな要因になるでしょう

 

  1. 小口取引先の効率的な管理

    取引先が増えるにあたって、貸倒リスクの算出や貸倒引当金の割り当てといった業務が増えて、時間と人手が割くことになります。

    しかし、取引信用保険を利用することで、信用力が測りづらく貸倒のリスクが高そうな小口取引先とでも取引を進める事が可能です。

    保険によって守られているという支えや安心感から、新規取引先の開拓にもつながるのです。

 

  1. その他のメリットについて

    取引信用保険を利用することには、他にも多くのメリットがあるのでご紹介します。

     

    ・債権回収業務を短縮化することが出来る

    ・保険を経費に出来るので、節税になる

    ・売掛債権の証券化が可能になる

    ・キャプティブの条件が向上する

     

    といったようなメリットが存在します。

 

取引信用保険のデメリットとは?

取引信用保険にはメリットだけではなく、デメリットも存在します。大きく分けて4つのデメリットがありますので、下記でどのようなデメリットがあるのかをお伝えします。

 

  1. 取引先の与信審査がある

    売掛債権に保険を掛ける前段階として、保険会社による取引先の与信審査があるので、取引先の信用情報や業績によっては、保険料が高くなることも考えられます。また、保険金の支払い限度額が少なってしまうこともあります。

    与信審査によっては、保険がかけられないこともあるので、注意して下さい。

 

  1. 特定の取引先を選択することが出来ない

    取引している企業のうち、一社だけ支払い能力に不安があると考えます。そのような場合でも、一社にだけ保険をかけたいと思ってもそのようなことは出来ません

    保険会社によって違いはありますが、取引信用保険を利用する際には、「全取引先に設定」、「10社設定可能」、「売上上位10社」などといった条件があります。

    取引信用保険は特定に一社にのみ保険をかけるという事は出来ないので、覚えておいた方が良いでしょう。

 

  1. 売掛債権の早期現金化は出来ない

    資金ショートに陥ってしまい、黒字倒産寸前に、保険をかけている売掛債権を現金化して資金調達しようと考えてしまいたくなりますが、それは出来ません。

    取引信用保険は、債権が不良化した時のみに支払いが行われます。同様に今、保有している債権をすぐ保全することも出来ないのです。

 

  1. 対象債権には制限がある

    取引信用保険では、保全対象になる債権に制限があるので、注意が必要です。

    また多くの保険会社では、原則として「物販」による債権が保全の対象であり、建設工事やwebサービスなどの「請負債権」は対象外です。

    ですので、取引信用保険は、保険を掛けられる企業・業種が限定されてしまっています。

 

本日は、取引信用保険とファクタリングの違いについてー前編―をお送りしました。主に、取引信用保険の概要、メリット、デメリットについてお伝えしました。後編では、ファクタリングとの違いについて解説していきます。