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給料前払いサービスの仕組みと業者の見分け方

2020/02/17
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給料前払いサービスの仕組みと業者の見分け方

 

 

 

◎貸金業法違反?銀行法違反?給料前払いサービスを法律の視点から考えてみる

 

近年、給料前払いサービスを展開する業者が増えている。従業員が給料日前でも働いた分の給料をすぐに受け取れる利便性が支持され、導入する企業にとっては求人募集者数の増加や離職防止に役立つとされる。

 

一方で、サービスの仕組みによっては無登録の貸金業者による貸し付けと判断される可能性がある。ただし、関係省庁からはまだ明確な判断が示されていない。

 

今回は、法的な観点から給料前払いサービスの仕組みを解説します。サービスのどこが違法と見なされる可能性があるのか、企業は何を基準にサービスを見極めるべきなのか、明らかにしていきます。

 

 

 

チェックマーク給料前払いサービスとは??

 

給料前払いサービスとは、毎月の給料日より前に、すでに働いた分だけお金を受け取ることができるようにするサービスです。

 

給料前払いサービスを提供する業者は

 

❶従業員から前払いの申請を受け付け

 

❷従業員の勤怠・給与データを把握して、働いた時間・賃金を計算し

 

❸給料の前払いを行う

 

という3つの業務を行います。これらの業務に対して、サービス提供業者は企業から手数料を取得しています。

 

 

*給料前払いサービスは、大きく分けて2種類に分類されます。

 

・立て替え型

 

給料前払い分のお金をサービス提供会社が立て替えて支払うシステムです。

 

・企業負担型

 

給料前払い分のお金を企業があらかじめ預けておいて、そこからサービス提供業者が支払うシステムです。実は、このうち立て替え型が金融庁に目をつけられている前払いサービスとなります。

 

 

チェックマーク業者がお金を立て替えると、貸金業法違反!?

 

なぜ、立て替え型の給料前払いサービスに違法の可能性があるのでしょうか。

 

サービス提供業者が事前に企業から立て替え払いをする場合、立て替え金が貸金となり、この手数料が金利になるのでは、と言われています。

 

アメリカでは、給料を担保に短期・高利の小口ローンを提供する「ペイデイローン」が社会問題になっているのですが、それと変わりない怪しい業者が介入しているのではないかと金融庁に疑われているのです。

 

お金を立て替えてもらっているということは、サービス提供業者からお金を借りているのと実質的に同じです。貸金業を営むには貸金業法の登録が必要ですが、この登録がないサービス提供業者が立て替えているのだとすると、貸金業法違反になる可能性があるのです。

 

さらに、お金の貸し付けに関して借主からお金を受け取ると、利息制限法により、名目を問わず金利となり利率が制限されます。貸金業法の登録があるとしても、毎月の給料の前払いだと数日程度の貸付になりますから、年利に交換するとかなりの利率となり、利息制限法違反となります。

 

 

チェックマーク企業からお金を預かると、銀行法違反!?

 

だからといって、企業負担型の前払いサービスにも規制がないわけではありません。

 

企業からお金をあらかじめ預かったり、企業の口座からお金を引き出して従業員の口座に振り込んだりすることは、無資格では行えません。誰かからお金を預かったり、振り込んだりするのは基本的には銀行の仕事です。

 

サービス提供業者が無資格のまま、自分の名前で業務を行えば、銀行法違反となります。そのため、給料前払いサービス提供業者は、銀行と提携してその銀行にお金を預かってもらったり、振込の委託をしたり資金移動業(金融機関以外でも100万円以下の資金であれば移動をすることができる)の登録をしたりして、銀行法に違反しないように対応している状況です。

 

 

チェックマークサービス利用者である企業の責任は!?

 

現時点では、サービス利用者側である企業が調査されたり、責任を問われたりした事例はないようです。

 

ですが、サービス提供業者が摘発により前払いができなくなったとき、従業員に対して責任を負うのはサービス提供業者側ではなく企業そのものですので、従業員に対して損害賠償責任を負う可能性があります。

 

その点でも、怪しいサービス提供業者と契約するのは避けるべきです。

 

 

チェックマークサービスの導入をどう判断する?サービス提供業者を見分ける3つのポイント

 

以上のとおり、給料前払いサービスの問題は複雑で大変です。

 

ただ、危ない業者を選ばないようにするのは簡単です。次の3つのポイントを確認すれば、危ない業者を回避し、選ぶべきサービス提供業者を見分けることができます。

 

・システムの解説がウェブサイトで公開されている

 

まず1つ目のポイントは、サービス提供業者のウェブサイトを確認することです。

 

そして、そのウェブサイト上で、システムの解説が公開されているかを確認してください。給料前払いサービスは、これまで説明したようなリスクを指摘されることもあるため、きちんとしたサービス提供業者は、適法であることを強みとしてアピールしています。

 

だからこそ、自社のウェブサイト上で、サービスの解説が公開されていることが多く、その上で違法でないことをアピールしています。一方で、怪しい業者はウェブサイトでシステムの解説を公開していません。

 

特に、前払いの資金を会社が用意するか、サービス提供業者が立て替えるのかという肝心なところさえ触れていません。資料請求のみで説明するような場合が多く、そのような企業を選ぶことはリスクがあります。

 

・従業員側の手数料が低い

 

従業員側が負担する手数料の低さもポイントの1つです。

 

怪しい業者は、従業員の給料を担保にした貸付をして、高い金利を得る目的で参入しているわけです、そのため、従業員側の手数料が高いというのは、怪しい業者の1つの特徴だと言えます。

 

1回の利用あたり数百万円程度、または利用額の数%程度の手数料が限度であり、これよりも高いものは避けたほうがよいかもしれません。

 

 

チェックマークサービスの導入を検討している総務・人事担当者へのアドバイス

 

採用者数増加や定着向上のため、給料前払いサービス導入を検討している企業は多いと思います。

 

ですが、危ない業者と契約し企業の責任が問われ、かえって企業の価値が下がり人材不足となることも考えられます。必ず3つのポイントを確認するか、よく分からないときは弁護士に相談したほうが良いでしょう。

 

また、企業が給料前払いサービスを導入するためには、従業員の勤怠データをサービス提供業者に共有するシステムが必要となります。

 

このシステムの構築が大変なのですが、きちんとしたサービス提供業者に依頼をすれば、このサポートも期待できるでしょう。たとえ導入費用が安いなど、魅力的であっても怪しい業者を選ばないように注意してください。